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北海道白老郡白老町 社会福祉法人 天寿会のブログです

回想記 付き添い看護

施設の付属治療部門、実際には病院としての北海道リハビリテーションセンターは

定員を随時増やし、昭和52年には開設時の倍の90名になっていた。

この当時は「基準看護」を取っておらず、入院中の身の回りの世話は看護師ではなく

患者自らか、家族か、誰もいなければ「付添い婦」を付けなければならなかった。

「付添い婦」さんは各地にあった「家政婦紹介所」に所属し病院なり家族からの

依頼を受け派遣されることが多く、大抵は泊まり込みで夜はベッドサイドの床に

小布団みたいなものを敷いて寝ていた。ベッド上の患者から何か要望があったり、

夜間の処置、体位交換等々、大変だったに違いない。そんな付添いさんのための

自炊用台所や24時間使える風呂も病棟内には設備されていた。

費用は1日8,000円位ではなかったか。その費用に対して社会保険加入者で

あれば、健康保険から5,000円位が給付金として出たが国民健康保険には

そういった給付金制度はなく大きな患者負担となった。当時の民間生命保険において

入院給付金は、この付き添い看護料金をカバーするための役割が大きかったと思う。

平成6年(1994年)に付添い看護は制度として廃止された。

付添いさんたちの一部は看護助手として病院に就職し、一部はホームヘルパーとして

その後の働く場面を変えていったのである。

残念ながら、病院部門の付添いさんに関する記録や写真などは残っていない。